減点されないための文章表記の約束事?

意識改革もある程度必要だ
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 ひまわりなつこさんの言葉を借りて、「減点されないための文章表記の約束事」(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=996925815&owner_id=14874745&org_id=1008286956)というような言い方をしました。
 これは別の言葉で言えば、文章の内容をうんうんする以前にふまえておくべき、文章を作成する上での約束事です。ですから、きちんとそれらを押さえるのには、それほど時間はかかりません。前にもご紹介した、
「注意すべき言葉遣いなど」(https://www.syouron.com/nekoron/2006/06/post_4.php
「最低限の記号の使い方、表記の注意」(https://www.syouron.com/nekoron/2006/06/post_5.php
の二つをいつも気にかけておいて、それらのルールを守った文章を書けばよいわけです。

 とはいうものの、普段文章を書き慣れていない人は、小論文のテストなどできちんとした文章を書かなければならなくなった時に、普段から、それらのルールを守った文章を作る経験をしていないから、ついついルールを破った文章を書いてしまって、それに気づきません。
 ですから、一覧表でさらっと見て、「こんなことは、改めて言われないでもわかっている」と、思いこんでいるほど、簡単なことでもないのです。
 一番のよい例は、「だ・である」調の文章を書いていて、あるところで何か丁寧に言わなければならないような気がしてきて、突然そこから「です・ます」調が混じってしまうような場合です。
 普段から「だ・である」調の文章を書いていて、それが普通だという感覚になっていれば、このようなことにはなりません。ですが、「『だ・である』体の文章は、なにか偉そうにいう文体だ」というような意識が根底にあるので、はじめは、教えられたように「だ・である」で始めても、根底にある意識が素顔を出してしまうのです。

 このように、たかが4ページほどにまとめてしまえる、書き方の約束事に過ぎないのですが、大げさに言えば、文章を書くことに対する意識改革をある程度要求されてはいるのです。
 もしあなたが、これらのことについて意識しないとできないのであれば、まだまだ、意識改革の途中です。「もうわかりきっている」などと馬鹿にせずに、本気で意識する必要があるでしょう。

約束事以外に簡単に減点される要素
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 一つは、誤字です。普通漢字で書くべき単語をひらがな書きにするのも、場合によっては減点されるかもしれません。

 もう一つは、内容とも関係してきます。すなわち単純な文章のねじれです。
 よく言われる例は、
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私が思ったことは、〜だと思った。
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というような、同じ内容の言葉を重複させる場合や、文章をつなげていくときに、知らないうちに主語が変わってしまっているケースです。
 これらは、根本的なところまでたどれば、思考整理の不徹底ということですが、そこまで深刻に問題を突き詰めて考えなくても、練習問題をいくらかやることで、ずいぶんと状況は改善するはずです。
 この手の問題作りは、各社とも業者さんの得意とするところですから、どのような問題集でも、適当なものの該当ページを4・5ページも練習すれば、どのような点に気をつけていくべきか、把握できるでしょう。

 同様の意味で、
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私はAさんとBさんの家に行った。
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というような紛らわしい文章を添削する問題もやってもよいでしょう。
 ただし、これに対する態度としては、読点(、)を付ける位置を探すというような技術的な問題だと考えずに、「紛らわしさのない文章をどうやって作るか」という意識で取り組むことが大切です。

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私は、AさんとBさんの家に行った。
私はAさんと、Bさんの家に行った。
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のように読点の位置を変えても、それだけで一読してわかりやすい文章になるはずがありません。読点を見落としてしまえばそれだけですから、これだけでは、やはり理解しやすいとはいえません。

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私は、Aさんの家とBさんの家に行った。
私は、AさんとBさんが同居する家に行った。
Aさんと私は、Bさんの家に行った。
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というように、不注意に読んでも、きちんと理解される文章を心がけましょう。

小論文・作文の採点
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 以上にあげたようなところは、それが出てくる度におかしいことがすぐに把握できる箇所です。言い換えれば、減点の根拠として、だれもが納得できる、点数を引きやすいところなのです。
 ですから、実際採点でも、このような問題点があると、「文のねじれは何カ所、何点まで」「誤字は何カ所、何点まで」という具合に決めて、容赦なく減点していきます。
 これらの減点がかさめば、内容の出来のよさをある程度ひっくり返されてしまうほどの点として跳ね返ってくるので、たかが「表記」といって馬鹿にはできません。
 ひまわりなつこさんの言うように、これらに気をつけることで、「減点されないための注意」は最低限しておく方が得なのです。

 さて、小論文・作文の採点についてです。上のような根拠を示しやすい減点をしてしまえば、後はやはり内容をどう評価するか、ということしか残りません。
 模試などでは、「表記」「内容」「構成」というようにもっともらしく採点項目が並んでいることがほとんどです。しかし、「内容」「構成」をばらばらに何点と何点に分けて採点し、総点として合わせて何点というようなやり方をして、それで正確な評価ができるはずはありません。「内容」と「構成」は、主張と不可分のものです。「内容をだいたいどのレベルの思考か評価し、構成や表現がよほど優れていれば、点数をいくらか足し、劣っていればいくらか減点するような採点をしているのだ」というように考えておけば、それでそれほどの間違いはありません。

 このように、技術的な訓練で簡単に解決してしまえる部分をのぞけば、やはり結局は、自分の主張したいことを見つけ、それを納得してもらうために、何をどの順番で述べるかという、本質的な思考訓練しか、結局作文力の向上はあり得ないのです。

誤字や文のねじれが致命傷になることも
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 本来ならば、誤字やねじれのないすらすら読めるだけの文章をいくら書いたからといって、それでその答案を合格にするようなものではありません。小論文や作文を出題する者は、絶対にある程度の中身がある内容を期待しているはずです。
 ところが実際に採点してみると、悲しいかな、期待しているような答案はごく少数で、後は、日常生活のレベルで、すぐ思いつくような浅いレベルの思考の文章がほとんどという寂しい現実があります。
 そんな中でも合格者を出していかなければならないのですから、「こんな浅いレベルの思考では、合格にしたくはないのだけれども、合格にせざるを得ない」というあたりの文章の中からも合格者を出さざるを得ません。
 言い換えれば、合格と不合格の境目あたりには、不本意ながら合格にしなければならないこのようなレベルの答案が群がっているということです。
 このような場合、そんな中から合否が分かれていくのですから、思考の程度が同じなら、結局減点される要素がない文章であることが決め手になります。そしておそらく、このレベルの文章では、上に書いたような減点要素の全くない、内容はそれほどとるところはないが、一応そつなくまとめているあたりが合格ラインすれすれでかろうじて合格に引っかかるかどうかということになることが多いはずです。
 とすれば、たかが誤字一つが致命傷となることが結構あるはずなので、この減点項目もばかにはなりません。

コメント

  1. ひまわりなつこ より:

    受験生のかた、この日記をかみしめて、減点をされないようにしましょう。

  2. Neko Fumio より:

    ひまわりなつこさん
     コメントありがとうございます。
     次(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1009206422&owner_id=14874745)を書いてみました。

  3. おっさっち より:

    受験生のみならず、社会人でもとても重要だと思います。
    Neko Fumioさんの提示されたルールを守ることは、文章を書くときに最低限必要なことなのでしょうけど、ちょっとでも書き手の気が緩むと、すぐこのルールからはみ出て曖昧な文章になりがちです。
    この気の緩みから脱却するためには、「書き手自身の日頃の訓練」に加えて「読み手からの指摘」を受ける機会を書き手が持ち続けることが必要なのかもしれませんね。

  4. Neko Fumio より:

    おっさっちさん
     コメントありがとうございます。
     今続いている記事を書き終わったら、このコメントの返事を日記の方に書きますね。
     まだちょっと、時間がかかりそうです。