私のところに来るメールですが、下のようなのが時々来ます。
週末出張があって、ちょっと京都の方に行っていたこともあって、もう来週になっているので、間に合うかどうか分かりませんが、少し書いておきましょう。
=========================================================
はじめまして
私は来週大学受験を
控えてる高3です。
受験科目に作文が
あるのですが
どのように
書いたらいいのか
よくわかりません。
もしよかったら
教えて頂けませんか?
突然このような
メッセ送ってすみません。
=========================================================
文章体験を積む+材料を仕入れる の二本立て
*************************************
自分の文章力の向上を図るときに、意識してのばすべき柱は、時間があろうと無かろうと、表題に書いた、
================
1.文章体験を積む
2.材料を仕入れる
================
の二本立てになります。
1.文章体験を積む
***************
作文や小論文のテストを前にしてあわてる人というのは、基本的に「自分の思考を整理して、『一つの言いたいことを伝えるために素材を並べた一文』として仕上げていく体験」=「文章体験」がほとんど無いはずです。
つまり「どのような文章というのが、まともな文章なのか」という感覚が出来ていないのです。確かにまともな文章を、他人の作品としては読んだことはあるはずですが、しかし、自分でそれを仕上げたことはないから、自分で書く感覚として、「こうやって書くのだ」という感覚が無いわけです
せっぱ詰まった対策の場合、この感覚を確かなものにするような時間は、はっきり言ってありません。
しかし、全く経験がない場合に較べて、一つでも本質的な経験がある場合、その差は全く違います。ゼロにいくら数字を掛けてもゼロのままですが、たとえ少しでも数値が増えれば、それを増やしていけば、いくらにでも望むところまで数を増やすことが出来るからです。
つまらない説明はこれぐらいにします。とにかく、ゼロと1とでは経験値が全く異なりますから、確かな文章力を持った先生に、添削をお願いすることです。
1週間や2週間の短期間では、いくつもの文章を仕上げるようなことは出来ませんから、自分の志望校で一番出題されやすいような、なるべく本質的な問題を1題やることですね。
それを毎日、添削を受けては、見ていただいて、きちっとしたものに仕上げていきます。
それを一つだけ仕上げて、いきなり本番ということです。一つだけにかかりきりになってすぐに本番では、何も対策が出来ていないようで、不安になると思います。ですが、あれこれ、何題にも手を出してはいけません。
もともと自分では、本質的な問題点を備えた文章を書く力がないわけですから、いい加減な文章をいくら仕上げても、自己満足になるだけで、自力の底上げには全くなりません。
観念して、とにかく1つだけはいい文章を完成させましょう。
指導をお願いするときには、前回の日記にひまわりなつこさんが書いてくださった(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=992163115&owner_id=14874745#comment)ように、
=========================================================
本当の、作文指導は
考える力を育て、わかりやすく表現(会話)する力を育て、そして何より、
自分の考えを深く見つめるすばらしさを学ぶことだと私は思っている
=========================================================
このような考え方をなさっている先生にお願いするのが理想です。
取り組む課題については、自分のことについて聞かれる作文の場合は、「私の高校生活」、看護学校のように自分の志望について聞かれる場合は、それにストレートにつながる課題。
たとえば看護なら、「私の生きる道」「生命について」など。
小論文なら、志望する大学の学部・学科を学ぶ上で、是非一度は考えておきたいような、大きな問題をざっくり問うような問題です。
2.材料を仕入れる
****************
作文を書くのと同時並行で、作文で使えそうなネタを集めます。小細工に使う小ネタを集めても仕方がないので、自分の志望する大学の学部・学科に関係の深い問題を扱った入門書を、出来るだけ読みます。
小難しいものは読めないでしょうから、新聞の日曜版に小学生向けに書かれている社会問題の解説のようなものも含めて、入門書を出来るだけ多く読みます。
その際には、「何が問題点なのか」、「自分はその問題についてどう考えたいか」、というようなことを、なるべく自分の頭を使って考えるようにします。
それが、作文を書くための思考訓練にもなります。
3.思考整理法と、減点されないための文章表記の約束事
*********************************************
「減点されないための文章表記の約束事」については、『ねこの小論文・作文講義』の、
「注意すべき言葉遣いなど」(https://www.syouron.com/nekoron/2006/06/post_4.php)
と
「最低限の記号の使い方、表記の注意」(https://www.syouron.com/nekoron/2006/06/post_5.php)
これらは当たり前のようだけれど、最初からきちんと書ける人はほとんど居ないので、何度もよく見返して自分のものにしてしまいましょう。
思考整理法は
「文章を整理するポイント」(https://www.syouron.com/nekoron/2007/02/post_37.php)
「最低限の記号の使い方、表記の注意」(https://www.syouron.com/nekoron/2007/02/post_74.php)
たったこれだけですが、これだけでも本当にきちんと意識できれば、とっても大きな力になるはずです。
余裕があれば
***********
余裕があれば、私のホームページを使って文章を勉強するやり方について以前書いているので、そちらを参考にして、もっと視点を広げていきましょう。
とにかく死にものぐるい
******************
たかが何日・何週間で、どの大学に受かるかという、いわば自分の人生が決まるわけですから、せめてその期間ぐらいは、「寝て、食べて、風呂に入って」以外はすべて作文に集中するぐらいのことをやりましょうね。
コメント
文章を書くのが苦手な人は、短期間で一気に上達はしないと思うから、
だから、一文を短めにまとめ、つないでいくことをお勧めします。
作文慣れしていない人が長い一文を書いた場合、
書きだしの時登場した主語たる人物が、終わりのところで消えていて、
最後は別の人が主語になっていて、あれれっということがしばしば見受けられます。
少しでも作文力をつけ、1点勝負の試験に合格なさいますように。
そのためにも、先生がおっしゃっている減点されないための約束事を
再確認しましょう。
死にものぐるいで。大事なことだと思います。
「一文を短めにまとめ、つないでいく」というのは、いいと思います。
「が」を使って、文章をだらだらとつなげていくと、文章のつながりのはっきりしない文章を書いてしまいがちになりますし、おっしゃるように、主語が途中で変わってしまうということも起こってきます。
「減点されないための約束事」(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1008286956&owner_id=14874745&org_id=996925815)について、次の記事で書いてみました。