母ちゃんを悩ませるなー

 放課後、例によって、職員室の隣のパソコン部屋で一人でこもって作業をしていると、「Neko先生・・・・・・」という一オクターブ高い声が、去年卒業した彼女の学年を、一緒に持ち上がった先生に、聞いている。

 「あ、来た!」とか思いながら、「まあでも、今出て行かないでも、ちょっとほおっておくか。在学中も、彼女を追いかけ回すのに疲れたし」と、知らない顔をしておいたら、会話の声が、職員室の方へ方、遠ざかっていった。

 「それでも、ここに居るのに、隠れて出て行ってやらないのは、やっぱりかわいそうか。ひでえ元担任だな」とか思いながら、葛藤していると、ようやく居場所を探し当てたようで、また例の声が近づいてきて、げはがは言いながら、「Neko先生」とか何とか、顔を出した。

 そこでひとしきり、1年生の時の、お母ちゃんとの懇談の話。
 「遅くにできた子だもんで、小さい頃病気がちだったし、生きていてくれさえすればいいと思って育てた」と、そういう話をなさっていた。そのことを思うと、涙が出てくるなあ、というような話。

 思えば、赤点赤点に追いまくられながら、多くの人に支えられて、今の彼女がある。就職して、初めて訪ねてきたときには、「おまえまだ続いとんか」と思わず本気で失礼なことを言ってしまったくらい。それが何とか卒業して、今はきちんと会社に毎日勤めて、「〜なんですー。」と、少しは敬語を使おうという意識がある。
 一年生の時には、「部活」と称しながら、部活には出させてもらえないで、「まだ出していない宿題を図書室でやりなさい」と、運動部なのに、宿題のおもりばかりしてもらっていた顧問のY先生。「あんた、なにしょん!」ときつい言葉でしかりながら、遅くまで残って検定の指導をしてくださった副担任のK先生、この人達がいなかったら、今頃はどうなっていたことか。

 そういう、涙が出てくるような話をしていて、ふと、パソコンの画面のmixiを見つけられて、強制的に、マイミクにさせられてしまった。
 ついにリアルの知り合いがマイミクに追加。

 で、今時携帯を持っていない私は、そこで初めて携帯から自分のmixiのページを見るということを体験。一行14字も入る今時の携帯画面は、想像したよりも、読みにくくない。

 そんな彼女との、その後のmixiでのやりとり。

昨日はわざわざ訪ねてくれてありがとう。
かあちゃんを、泣かすなよ。

泣かしはしないですけど
悩ませます(*^−^)ノ(笑)

 

 ありさー、あんまり母ちゃんを悩ませるなー。

コメント

  1. BLADE より:

    人が成長していくのを見ることができるのが、「先生」の仕事の最大のうれしさですね
    さんざん迷惑をかけられ、怒りまくっていたのに、久しぶりに会うとうれしくなる。「先生」って不思議な人種です

  2. 匿名 より:

    国語の先生なんですか?
    緊張します。
    わたしも文章書くの、大好きです。
    何かの時は、よろしくお願いします。

  3. ゆうちゃん より:

    そういうのはうれしいですよね。「先生」の仕事のしがいがあるというものですよね。

  4. 匿名 より:

    国語の先生だったのですね。
    いつも私の稚拙な文章を読んでいただきありがとうございます。
    意を決して訪問してみました。
    もし何か感じるものがあれば
    コメントしていただけたら勉強になります。

  5. 夢遊 より:

    >赤点赤点に追いまくられながら
    なんか自分の高校時代おもいだしました。

  6. ひまわりなつこ より:

    私は人間考察的な側面の日記も書いています。だから、過去の経験も書きます。
    当時はいえなかった自分の思いもかきます。身を削っての文章もある。
    みなさん笑って読んでくださっていますが。
    そんなわけで、現在もつきあいが頻繁で、
    私という人間をかなり深く理解してくれている友達数人はマイミクになっていますが、
    それ以外の友達には教えていませんでした。
    ところが最近、昔の友達(題材に一番したい過去の時代にかかわった友)が、マイミクになりまして。
    そこから、私の存在が伝わる可能性もありまして。
    過去に書いた日記を読みかえしては、問題点を削除編集しなおしていました。
    そんなわけで、感じることの多い他者の日記にはコメントを入れる余裕がなかった次第です。
    先生の日記を読んで、私の恩師との関係がたくさん思い出されて、
    「時の流れ」というタイトルの日記を思いついたことを、取りあえずコメントしておきます。

  7. Neko Fumio より:

    BLADEさん、ゆうちゃんさん
     ほんとにねえ。いくらだめ教師とはいえ、やはり、「生徒に相手をしてもらっている」部分というのはあるんですよねえ。
     そこらのおっさんが、「スカートが短い。上を折っていないか見せろ」なんて言ったら、それこそ変態ですよ。
     普通だったら誰も聞いてくれないような、青臭い人生論を、授業で長時間ぶっても、文句も言わずに(文句も言えずに)、たまには「うんうん」とうなずきながら、聞いてくれる。
     こういうことは、大切にしないといけないなと思います。
     でも、世間で「聖職」だとか何とか言って、こき下ろすために、見下しているようなのもやっぱり、違うとは思いますね。
     「教師だって、聖人君子じゃあないし、生徒と接していて嫌なこともいっぱいある。だけれども、いいこともあるから、それに救われて、一生懸命やっている」という面が、あるのではないでしょうか。
     金八先生のような、熱血教師じゃあなくてごめんなさい。
     この文章についていただいた感想を、次の話題(https://www.sakubun.info/?p=189)につなげようと思っていたので、感想に影響を与えるコメントは、これまで控えていました。
     コメントが遅くなって申し訳ないです。
    sarahさん
     こちらこそよろしくお願いします。
    redさん
     なにかありましたら、こちらにも遠慮せずに、どんどん書き込みをしてくださいね。
    夢遊さん、ひまわりなつこさん
     またまた、話題を次に持ち越させてくださいね。

  8. Neko Fumio より:

    夢遊さん、ひまわりなつこさん
     コメントを使わさせていただきました。
       https://www.sakubun.info/?p=193
      

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