お久しぶりです。
最近とにかく本業の方が忙しくて、更新は出来ないは、コメントの返事も書けていないは、身動きが取れません。
その上、下のようなことを言い出すと、なおさらどうしようもなくなってしまいそうです。
さて、次のようなメッセージをいただきました。
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はじめまして。○○○と申します。記者を生業としております。先生の純粋で極めて真面目な日記を拝見し、感服いたしました。
実はご教示たまわりたいことがあります。文章の書き方について巷にさまざまな本があふれかえっております。これだけは絶対読むべし、という本があれば教えていただけませんでしょうか。
これまでで役にたったと思えた本は、日本語の作文技術、超文章法、理科系の作文技術などです。ただ、これらはテクニックを教える実用書の類ですので、即効性はあるものの、深みのある文章を書く技術は学べません。
やはり小説をたくさん読まなければ、そういった技術は身につきませんか?遅効性のあるハウツー本などという都合のいいテキストはないのでしょうか?
人の魂を揺さぶるような、文章の書き手になりたいと常々考えておりますが、身に着くのは小手先のテクニックばかり。なんとかこの状況を打破したいともがいています。
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参考になる本がない
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おっしゃるとおりで、世の中にはとてもたくさんあふれるほど作文の本があるのに、参考になる本がほとんどありません。特に樋口裕一の本ばかりが氾濫していて、日本の世の中をずいぶんゆがめていると思います。
https://www.syouron.com/column/2006/03/post.php
私自身それほど他の方の本を研究したわけではありませんが、どこをどう捜しても、文章を書く上での基本的なことをきちんと説明したような本を、私は見つけておりません。短文の正誤を添削するためには、お書きになっている、「日本語の作文技術」は、すばらしい本だと私も思います。
しかし、文章を書き始める段階で、気をつけなければならないことは、とにかく、自分の言いたいことを決めて、それに向かって一生懸命述べていくことです。それから、扱う問題を他人事として評論しない、というようなことです。
このような文章を書く基本姿勢は、ほとんどの本には何も触れてはいなくて、多くの場合、形ばかりを問題にしています。
それで、誰も作っていなくて、生徒に参考にさせる本がないので、自分が生徒に普段授業で言っていることをすべて集めて書いたのが、『ねこの小論文・作文講義』(https://www.syouron.com/nekoron/)です。
もうすでに十分文章をお書きになっている方に対して、はたしてどれだけ参考になる点があるのかは、わかりません。書いてあるうちのほとんどのことは、無意識のうちになさっていることだと思います。しかし、そのことを他人の言葉で、文章として書いてある点で、確認作業にはなるはずだと私は思っています。
また、「人の魂を揺さぶるような、文章」というのは、私が説明するような文章の基本をクリアーして、その後に出てくる内容の問題だと思います。
内容のないところに、どんな感動的な文章もありえません。ですから、そういう意味では、どうやって、自分を書くべき内容のある自分にしていくか、ということが、問題になってきます。
小手先のテクニックを教えるとか、文章に視点を限って、それを伝えていくというようなことは、害の方が大きくなると思います。
こういう方面からの考察は、作家の方がお書きになっている、文章読本の類も、もしかしたら参考になるかも知れません。
どのような文章修行をすべきかということは、どのような文章を書くことをお目ざしになっているのか、も考えなければいけないのかもしれません。
小説家を目指しているなら、いい文章を書く小説家の文章を書き写して見るということは有効でしょう。しかし、そうではないなら、小説を多数読むというのも、ただ単に数ある人生修行の一つというほどの意味しか持たないのではないでしょうか。
読むと書くとは基本的に違うので、書けるようになるためには、絶対に書かなければだめです。
『ねこの小論文・作文講義』を読んでみてもらえませんか
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さて、この返事が遅くなった理由ですが、他に何も推薦する本が思いつかなかったことと、自分の書いたものを宣伝するのが、手前みそのようで、どうしたものかな、と考えていたからです。
実は、いまはまだ、準備が出来ていなくて、皆さんに告知していませんが、mixiで一生懸命読んでくださっている方だけを対象にして、一週間だけセールをやってみようかなと考えていたのです。
『ねこの小論文・作文講義』(https://www.syouron.com/nekoron/)は、内容をすべて、無料で公開しています。実は以前は、これのPDF版も、ベクターで無料配布して何千人かにダウンロードしていただきました。
でも、無料のものというのは、内容がどうであろうと、なかなか大切にはしてもらえないような気がします。
無料公開の期間、どのように読んでいただいたのか、ほとんど私には分かりませんでした。
ですので、PDF版に関しても、今後、無料でというのはやめました。「読みたい」という意思の確認用として、この一週間のセールの間だけ500円。それで、しっかり、私の本を読んでいただければ、私は幸せです。
書評を寄せてくださるとうれしい
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なお、今後書籍版、PDF版の値上げを予定していて、感想を寄せてくださる方を募集しようと思います。
もし、書評を寄せていただいて、私のホームページなどで使わせていただくために、名前と、県名ぐらいを教えてやってもよいという方は、200円でPDF版をお譲りします。
顔写真も使わせてやるということであれば、感想と写真を寄せていただいた時点で、印刷版をお礼としてお送りします。
もしよろしければ、読んでやってください。
コメント
モニターの応募ありがとうございます。
書き方が悪かったので分かりづらかったですが、上のモニターの話は、皆さんへの一般公募ですので、もしよろしければご利用ください。
応募の締め切りは、明日、9日(月)までです。
ご利用の向きは、メッセージでお知らせください。
モニターの受付、終了しました。
お久し振りです、りえたんこと澤木淳枝です。
以前、先生の書かれた『二十歳の原点』にコメントしたものです。
集英社が古典文学を売るために、カバーを人気漫画家に描かせる、という手法で、太宰治の『人間失格』が8万部売れました。
それに味をしめて、第2弾をやっています。
まぁ、出版社は本が売れればそれでいいのでしょうが、
読者が内容を熟読するとはとても思えません。
最近、小林多喜二の『蟹工船』が20代に人気だとか。
これも、引きこもり・ニートの言い訳材料に
使われているとしか思えません。
時代背景まで考慮して熟読して感銘を受ける現代人が何%いることか。
それならもっと、他に売らないといけない本があるだろ!と
言いたくなります。
なんだか関係のない、愚痴みたいなコメで申し訳ありませんでした。
先生の御意見を拝聴できれば幸いです。
お忙しい中、すいませんでしたm(__)m
りえ@目指せギネスさん
コメントありがとうございます。やっと『蟹工船』を読みました。
次の日記に、感想を書きました。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=885711708&owner_id=14874745